カンチェラーラの引退を聞く。

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もう明後日には1月号が出ちゃいますが、今本屋さんで売っているサイクルスポーツの表紙撮影とカンチェラーラ、ポポビッチのインタビューを担当させて頂きました。
宇都宮ジャパンカップで来日したのに合わせて、成田空港に迎えに行って移動しながら車の中でインタビュー。サービスエリアでコーヒー飲みながら撮影してインタビュー。という具合でしたが、現役バリバリのここまでの選手が雑誌の特集に出て自分の走りを語りつつ同時に表紙にも出演というネタは相当に希少価値のあるものなのではないかと思います。
アームストロングやインデュラインが現役の時に同じ事をやってくれたか?と考えると、なかなか迫れない話に直接迫れたと思います。結論は紙面を読んでみてくださいという話になりますが、書ききれなかった所をひとつ補足すると引退話を聞いてる時に「サンレモは来るのか?」と3回聞かれました。冬の仕上がり具合にもよるのでしょうが、当人達はミラノ・サンレモについては相当に気合が入っている模様。現地には観に行けないという人も、テレビの前で応援してみてください。

 

スペシャライズドの40km走って5分削減の怪

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スペシャライズドが新しいVENGE ViAS(&エアロキット)で言っている40kmを走ったら5分削減ですが、余り聞いた事のない表現で少し難解です。5分削減の怪というか解をちょっと説明してみたいと思います。

「時速何キロで走ったら5分削減できるの?」と思っている人も多いと思いますが、彼ら曰く、時速Xで、Yワット削減出来るの表記はライダーのレベルによって当てはまらなければ余り参考にならないとの事で、新しい表現の仕方を考えたみたいです。

実際自分にしても時速40km/hで1時間走って5分削減。と言われても、そのペースで走れないから意味ないじゃん。むしろ時速32km/hで走ったときの数字が知りたいとなる訳で、今回の「40km走って5分削減。」は実は表現の仕方としてはユーザーフレンドリーであります。
 
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例えば、時速25kmで40km走ろうとすると100分が必要。時速50kmで40km走ろうとすると、約50分が必要。

エアロによって得られる効果は当然時速が上がれば上がる程に効果が高くなるので、例えば時速25kmの時は1Wしか効果が得られないけれど、時速50kmでは20Wの効果が得られるとします。
 
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とすると、ワットベースで見てしまうと時速25kmの時は1Wじゃ全然効果ないじゃん。という話になりがちなのですが、実際は時速25km/hの時の1W削減によって4kmの長さを走った時に得られるタイムは、時速25kmを得るために必要な総出力が時速50kmの時に比べて遥かに小さいため、1Wでもそこそこのタイムが得られます。これを40km分積算するとトータルでは時速25kmの時の方が時速50kmの時よりもタイムが稼げるという仕組み。

ライダーのレベルを問わずエアロによる効果が得られる事の説明として、時速ベースでの削減Wを表現するよりも、一定の距離を走った時の削減タイムを表現した方が数値として解りやすいので今回の表記を採用したと言います。
 
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「40km走ると5分削減」は、時速25kmでも、時速30kmでも、時速50kmでも殆ど同じぐらいのタイムになるだけでなく、アベレージが遅い程に削減出来るタイムが大きくなるようです。

つまり、時速20kmで120分走った時に5分。時速25kmで100分走った時も5分。時速40kmで60分走った時も5分。誰でも速くなれるとスペシャライズドは言いたい訳です。もちろん速度によって5分だったり6分だったりするので、そこは下の方の数値に揃えているとの事。

ちなみに、スペシャライズドで空力エンジニアリングを担当しているクリス・ユーはスタンフォード大学の工学博士(低速流体力学)、その上司のマーク・コートはマサチューセッツ工科大学出身。バリバリの理系ならではの説明方法ですが、言っている事の仕組みが解ると確かに理に適っています。
 
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MERIDA 2016発表会@ジロ

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ジロに合わせてイタリアのサンレモ近郊開催されている、MERIDAの2016モデル発表会に来ています。新製品の詳細は後ほどしかるべきタイミングにて紹介しますが、中々興味深い新製品です。

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同時に開催されたランプレメリダのイベントを見たりするに、イタリア母体のチームだけあって地元ではやはり相当に注目されています。今年のジロでのチームラインナップは国際色に富んでいて、まず、中国のシュー・ガンが自身初、中国の選手としてはジー・チェンに続く二人目の選手としてグランツールに出走、もう一人はエチオピアのツバグ・グルマイが南アフリカを除くアフリカ系唯一の選手として出走しています。スプリンターには有力な選手を抱えているランプレなので、その辺りも含めて観戦したいところです。

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国際化と言えば、チームプレゼンテーションを見に行った帰りに別府史之選手にもちょっと話を聞いていまして、聞いたことをそのまま書くと「今年は36ヵ国から選手が参加しているっていうので、ジロも本当に国際化したと思います。シュー・ガン選手やツバグ・グルマイ選手の事をどう思うかと聞かれると、ライバルというか、(彼らの国から)ジロに来ている時点で相当に実力を持っているわけでして、自分としては自分の走りを見せて行くっていう事ですかね?今年のジロは1周目から山岳ステージがあるので、序盤からチャンスがあれば攻めていきたいですね。」と語っていました。個人的には腕に着けたSamsungのスマートウォッチが気になります。別府選手曰く、サイクリングに最適とか。

 

Apple Watch、ドライブトレインが逆?

Suunto、Garmin、Polar辺りのエンジニアは戦々恐々としているのではないかと思われるApple Watchがいよいよ発売されました。

僕が初めてGarminのGPS腕時計(腕時計と呼ぶんでしょうか?)を買ったのは確か2004年の春の事で、かれこれ10年以上も経っちゃいました。Fore Runner 201というモデルで、2004年のシーオッタークラシックに取材に行った時に現地で発表されていて「これは革命が起きる」という事で、現場でGarminブースの人に交渉したら「貸し出す事は出来ないけど300ドル払えるなら売ってあげる」と言われて、泣け無しの20ドル札15枚を叩いて買って帰ったのを猛烈に記憶しています。

その時の記事をサイスポの2004年5.20発売号に掲載した記憶があって、その時に編集部に持って帰って「もの凄いことですよ!革命ですよ。これは!」と叫んだところ、当時の編集長の宮内さんに「Garmin?あなた変なの好きだねー。でも毎日充電しなきゃいけないんじゃ、こんなの流行るわけないよ。ダメダメ。いらない。シーオッターの特集の中に1/8ページ程で”見つけて来ました変なモノ”っていう囲み作ってあげるからそこに載せといて。」と言われ苦渋なめたのですが、あの時が多分日本の自転車界にGarminが紹介された最初の瞬間であったと思っています。

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Apple Watchどうよ?と言われると、その辺の話は週末にでもしっかり書こうと思いますが、写真を見て貰えば解る通り、とりあえず小さいですね。Apple Watch Sportの大小あるなかで大サイズ(42mmベゼル)の方ですが、それでもPolar V800より遥かに小さくて装着した感じも薄いです。旧型ではありますがGarmin 910XTとは比べるまでもありません。一方で、歩いている限りではどちらも甲乙つけがたいのですが、振動を受けた時の揺れ方は、V800の方が遥かにフィットしています。詳しい話はまた後日。

で、先ほどApple Watchの新しいCMが公開されたのでYouTubeで見ていたら、フィットネス用途もガチガチのターゲットとして開発されているのでロードバイクがCMに出てくるんですね。一度見て、「おー、ロードバイク。」どこのバイクだろう?あれ?なんか違和感?
もう一度見て、あれ?ディスクブレーキ。トレンド解ってるなー。あれ?ディスクブレーキ逆じゃね?ドライブトレイン逆じゃね?あれ?あれ?

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これだから自転車マニアは・・・。と言われてしまいそうです。。。

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さておき私事ですが、友人で仕事仲間の島下泰久さん(”間違いだらけの自動車選び”の共同著者の方です)を含む複数名と共同出資で「Sustaina」(サステナ)というオンラインメディアを設立致しました。持続可能な次世代エネルギー社会を考えるメディアです。

私は主にサステイナブルスポーツを担当するのですが、自転車についても初心者向けの始め方やノウハウ、自転車選びなどを中心に掲載していこうと思っています。

自転車=究極のサステイナブルな乗り物。なので、ご興味あればこちらもご覧ください。
https://www.facebook.com/sustaina.me

 

東京都発表の自転車レーン革命を読む

先程、東京都建設局が、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた「自転車推奨ルート」の整備について発表しました。

概要はバイクジャーナル本体に掲載したこちらをお読み頂きたいのですが、地味にこの計画が結構凄いので、個人的な意見として計画概要を見て思った事を書いてみようと思います。

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(東京都発表資料より)

在京サイクリストとしてこの計画をざっと読むと一番興味深いのは、今まで自転車レーンが一切整備されて来なかった国道357号線(湾岸道路)への自転車走行空間の設置の案内でしょう。

国道・都道・市区道の区別なくシームレスに走行レーンを繋いで行くと発表にある通り(今回はオリンピック絡みの発表なので、都は威信にかけて20年までにやり遂げると確信しております)、既に整備途中である虎ノ門からの新虎通りの自転車レーン(現状では国道などとの接続地点でレーンが途切れています・・・)が、臨海部へとシームレスにつながり、湾岸道路を経て殆ど途切れる事なく荒川サイクリングロードへとつながることになります。

ちょっと文字だけだと判りにくいので、google mapに線を書いてみました。

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荒川サイクリングロードの河口から都心へのアクセス(もしくはその逆)に大きな問題があった事は、在京サイクリストなら知っての通りですが、これが20年までにつながると東京のサイクリング事情にとっては革命的な出来事になるんじゃないでしょうか?

例えば246の三茶辺りに住んでいる人が荒川CR(or臨海部)に出ようとなると、青山辺りまで出るのは最近は走行レーンも整備されてるし、走行レーンが嫌なら裏道を走って行くと簡単に出れますよね?青山と赤坂見附の間は道も広いので走り易いんですが、その先から東京駅周辺エリア、銀座エリアを越えて、臨海部に出て、トラックがバンバン走っている国道357周辺を走って荒川CRに出るって、もはや苦行以外の何者でもありませんでした。浅草方面を通って荒川に出るのも苦行。

ところが計画が実行されると、赤坂見附辺りから、環状二号の自転車ハイウェイ(何故か対面通行とか馬鹿にされがちですが、あれは暫定的なモノです)を通って汐留、築地市場跡地を越えて有明まで自動車の恐怖に怯える事無く走れます。そして、締めは国道357号線に整備が発表された走行空間を通ると、荒川CRにたどり着いてしまう。

荒川CRを走る程元気の無い日は、若洲臨海公園方向にも整備される走行空間を走って臨海公園サイクリングロードを回って帰ってくれば、それだけでも往復30kmちょっとと丁度良い距離です。

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(招致資料より)

今回の発表には含まれませんでしたが、海の森公園(MTB競技会場予定地)周辺にも10kmのサイクリングロード整備が計画されているので、そっち方向を回るのも楽しそうです。個人的にはマウンテンバイクコースが、大会後も一般開放されて走れるようになってくれれば都心から自走で乗りに行けてさぞかし楽しいだろうなぁ。と期待しておりますがこちらについては現状では暫定競技会場としか発表されていません。

三茶を例に出してみましたが、多くの都心区在住のサイクリスト(=環境に恵まれていない)が、整備によるメリットを受けられると思います。

その他の整備区域については大井埠頭近辺の整備が気になる所ですが、この辺はまた今度資料を精査してみたいと思います。