とあるUCIレースの交差点


フランドルとパリ・ルーベの中間の水曜日に開催されたスヘルデプレイス(UCI 1.HC)。滞在していたホテルからも小一時間程でスタート地点に行けるので、勉強を兼ねて取材がてら観戦しに行ってみた。で、そのコース途中のとある田舎の村の交差点でのレースが通り過ぎるまでの話。


まず、日本のレースと根本的かつ絶対的に異なるのは、UCIワールドツアーはともかく、欧米のレースは基本的に、日本のレースほどそこまでがっちり道路規制を行っていません。主要な交差点には警察やシェリフが立っていますが、大きくない交差点は警察すら居ない。カヴェンディッシュやカンチェラーラが走るレースでもこんな感じです。

これは、ヨーロッパに限った話ではなくてアメリカもアジアのレースもそうだし、ロードレースに限った話ではなくトライアスロンもそう。コナのアイアンマン世界戦をやっている横を自動車が走ってるとか、自分が色んな国のトライアスロンに出ても、大体バイクコースは途中で地元の人がクルマで走っているし、交差点は警官が立っているけどレース中に普通にクルマが突っ込んで来たりする。


閑話休題。で、この交差点、ペロトンがやってくる3分前ぐらいで中継のヘリの音が遠くで聞こえ始めて来た頃ですが、小さな交差点なので警官居ません。これからペロトンが来ますよー。という事で、白バイが走って行きますが、その瞬間、クルマが・・。


ボランティアの立哨のオジさんが、あー、もうすぐテッテドクルス来ますからコッチは入っちゃダメですよー。と停めて話す。


「いや、俺んち、すぐそこだから。」(予想)とクルマの人が話してそのまま通過。


立哨のオジさんは、あー行っちゃった。と立ち尽くすのみ。沿道の観客も一同、あー選手がそこまで来てるのに行っちゃった・・・。と唖然。(立哨のオジさんがボンネットに覆い被さってでも停めないのに私も唖然。)


で、クルマが入って行った先には、ペロトンに先行するキャラバンが・・。流石にドライバーもヤバいと思ったらしく、路肩に停車。


大きな音を流しながらキャラバン、ゼロカー、VIP、プレスのクルマやバイクが100台程通過。


沿道にも近くの保育園から子供がやってきました。



近くで作業をしていたオジさん達もやってきました。


ペロトンが通過。ちゃっかり突撃していったドライバーの人も沿道で観戦しています。


ペロトンが通り過ぎるとチームカーが山ほど走って行きます。



沿道のオジさん達も「チームカーもカッコいいよな。」(予想)と目で追いかけて行きます。



チームカーが通り過ぎると、まだVIPカーやプレスカーなんかが通過中なのに全員揃って「さて、帰るか」と次々と去っておしまい。

コースに突撃して行っちゃうオジさん(ちゃんとペロトンがすぐ近くと解ったら、完全に安全なスペースに停車していた)から沿道の子供(落車しても安全なエリアで保護者と一緒に観戦)まで、まさに地元に完全に根付いているからこそなベルギーの平日UCIレースでした。

市街地部分はもちろん完全にバリケードを作って、道路規制も完璧にやっています。全部バリケードっていうのは現実的じゃないのでこうしている訳ですが、もちろんそうなのでパリ・ルーベのように勝負所で選手が観客とぶつかってレースが終了となってしまったりもしますが、「それも含めて自転車レース。」とゴール後に選手も言っている訳で。

一般市民へのロードレースをやっている事への認知度のレベルが違うので、警察の規制がどうのこうの以前に日本で同じ事は出来ませんし、やると事故が起きるのは確実でしょう。とはいえ、欧州はこうなっている。というのは余り知られていないので、その上で日本でロードレースするならどうするべきか?というのをちょっと考えてみる人が出て来たら良いなと思い、レポートしてみました。個人的には、まずは宇都宮みたいな都市部でのクリテリウムからじゃないかと思うんですよね。そうするとロードレースがどういうものなのかが少しは解ってもらえる訳ですし。多くの人に解ってもらうというのがまずは大事かと。