BOONEが気持ちイイ

_L2H8242
ドマーネのISOデカップラーを発展させた分離機構を採用した新型シクロクロスレーサー、BOONEに少しだけ乗る機会を得ました。ディスクのカーボンクロスは1台持ってるし、更に言うとレースに出る訳でもないので乗ってもただ乗るだけと思っていましたが、乗ると目からウロコ。
_L2H8285
ここまで驚いたのは久しぶりというか特に期待していなかったので、ある意味過去最大級に驚いたかもしれない。オフロードで凄いとか、各部の剛性がとかよりも、自転車として乗っていてもの凄ーく気持ちいい。切れ味があるのにコクがあって喉越し爽やか。マイルドなのにスパーンと走ってシャキッと曲がる。どういう表現なのか自分でも良く解りませんが、走りの性能以前に感性性能がもの凄くいい。

で、走りがもの凄い。オンロードでは、マイルドな踏み味なのにシャキッと走るレーシングバイク。かつ超快適。オフロードに入ったらタイヤの細いマウンテンバイク。ホイール外して持つとそのまんまロードバイク。

これはツーリングバイクとしてのポテンシャルはもの凄いのかもしれない。チョイ乗りだけでもの凄く気に入った。チョイ乗り惚れ。もう一回乗ってみたいとかそういう次元を通り越して、今すぐ1台欲しい。で、そのまま旅に出たい。ほんのちょっとしか乗ってないのにべた褒め過ぎですが、そのくらい驚きました。現実問題、もう一回借りてちゃんと乗ってみようと思います。

シクロクロスでオヒネリる

_L2H7422
アメリカンシクロクロスでの1コマ。何故手に札を?と思うでしょう。シリアスなスポーツの反面、シクロクロスとはエンターテイメントでもあるんです。これ、御捻り。どーでも良いですが、オヒネリって漢字で書くと御捻りなんですね。

_L2H7400
ヨーロピアンのシクロクロスはホットワインを呑みながらワイワイと観戦するのが常ですが、アメリカンクロスはビールを呑みながらオヒネリ。1ドル札を持ってオヒネリ。

_L2H7405

_L2H7381
シケイン飛んだらオヒネリ。転けたらもっとオヒネリ。通り過ぎた選手が戻って来てまでオヒネリ。私設エイドでビール呑んだらオヒネリ。背中と胸の中に札束をしまい込んで走るんです。もちろん世界選手権とかUCIレースでやっちゃダメなのは幼稚園児でも解ると思いますが、ホビーレースは観客も選手もエンターテイメント。真面目に走る選手も居れば真面目に走りつつもエンターテイメントな人も居るから面白い。

_L2H7432
ちなみにこのレースは、アメリカ最大の自転車レース、シーオッター・クラシックのシクロクロス最高カテゴリーだったんですがアメリカンはこんな具合です。RITTEの彼(ブースにも居たので恐らく社員と思われる)は遠征費とエントリーフィーは余裕で稼いだんじゃないだろうか?同じレースに明日のお台場にも来るティモシー・ジョンソンも走ってましたが、もちろんそんなのは出されても完全にスルー。

神聖なる試合の場にそんな不謹慎なという人も居るんでしょうが、相撲も面白かったら座布団や着物が飛びますが、あれは座布団や着物を返しに行く時に御捻りを貰える文化から。

流石に写真みたいな私設エイドステーション(生ビール)なんかを作っちゃいけませんが、カウベルだけじゃない観戦の仕方も日本に普及するとそれはそれで面白いと思うのです。とシクロクロス東京の前日にふと。

_L2H7347

懐かしい写真

IMG_1201
古い資料を探して倉庫を漁っていたら無くしたと思っていた昔の写真が沢山入ったポジケースが出て来ました。
まだ全部見れていないのですが発掘した中の一枚が2001年頃の写真で、オリジナルのクランカー(マウンテンバイクの原型)にゲイリー・フィッシャー自身がリパックレースのコースで乗るという非常に貴重なカット。なんとも希少価値の高い一枚です。

MTBはなぜ廃れたか。

MTBはなぜ廃れたか。

ちょっと前の話、MTB XCの若手のエリート選手と呑んだときにこのように聞かれました。「難波さんが真面目(?)にレースやってた頃って MTBがもの凄く流行ってたんですよね?なんでその流行が廃れちゃったんですか?また、流行ることって考えられるんですか?」

先に謝っておくと、真面目にレースやってたと言う程の速さではないので真面目にやってたとは言いません。26歳の彼の勘違いです。

そんな話はどーでもよくて、何で廃れたか。その時はとっさに言葉が出なかったので、時期で言えば00年の新井で開かれたUCI MTBワールドカップぐらいを境に潮が引くようにマウンテンバイク熱が冷めたねー。業界の7不思議。世界的にはマウンテンバイクは今、もの凄い盛り上がりを見せてて売上高でもロードを超えてる大手ブランドが大半なんで、日本でもそのうち盛り返すかもねー。みたいな話でお茶を濁しました。

なぜ廃れたか。業界の7不思議だし、海外ブランドのマーケティング担当者からはなんでそんなに日本ではマウンテンバイクが売れないのか。という話をしょっちゅう問い詰められる。ちょっと僕なりの考え方を書いてみたい。

80年代後半に日本に本格的に入って来たMTBは、アウトドアブームに乗じてトレンドファッションの乗り物として大流行した後に、96年のアトランタオリンピックでの競技導入が決まるとスポーツとして爆発的に普及した。90年代中盤から後半の自転車雑誌はツールの月以外は殆ど毎月マウンテンバイクとマウンテンバイク選手が表紙で巻頭特集は40ページぶち抜きでマウンテンバイクのインプレ特集や乗り方特集となっていたし、今のクラシックレースぐらいMTBワールドカップがカラー6ページぐらいで各レースがレポートされていた。なんて時代が本当にあった。妄想じゃなくて。

2000年の新井のワールドカップの時は、日本にこんなにマウンテンバイクファンがいるんだっていうぐらいの数の観客が首都圏からの交通の便が良いとは言えない上越の新井リゾートにやってきた。軽く数万人は居たと思う。彼らはどこに行ってしまったのでしょうか?

世界のトップライダーと日本選手の間の壁を己の目の前で見せつけられてMTB熱が鎮火っていうんだったら、宇都宮のジャパンカップを見た観客のロード熱だってとっくの昔に鎮火しているだろう。とはいえ、あの頃を境に文字通り潮が引くように乗る人も、売り上げも減った。

時期をほぼ同じくして、猛烈に廃れた業界がある。スキー、スノーボード、そして若い人の間でのゴルフだ。スキーファンの人はこれを読んだら怒るだろうが、僕も冬はシーズン券を買って滑りに行くほどのスキーファンだという事は先に謝っておきたい。

逆に時代を見ると、この数年っていうのはIT革命の波が本格的に日本にやってきて、国内のITバブルも隆盛を極めた。同時に、大半の人がデータ通信機能付きの携帯を持ち、ブロードバンドを自宅に引き、ノートパソコンを買った時期でもある。仕事でパソコンを使わない人はこの時期に初めてメールアドレスを作ったっよという人も多かっただろう。通信費に毎月諭吉が数枚飛ぶようになり、ノートパソコンの導入には20万円を超える程の投資。

MTBは人々の趣味というか生活からリストラされたんじゃないか、と思う。急激に廃れた他のスポーツとの共通点は、機材にお金が掛かって、遊ぶのにもお金が掛かる&複数人で遊びに行って楽しいスポーツ。という点だ。

フィールドまでの交通費、もちろんクルマも基本的には必要。遊ぶとパーツは壊れるし、タイヤは消耗品。一昔前にゲイリー・フィッシャーが言っていたけど、MTBを一日乗ると大体50ドルぐらい消耗品が必要になるらしい。確かにその通り。

新たに訪れた出費が理由でひとり、またひとりと仲間が減るに連れて、仲間と遊びに行って楽しいスポーツなので、最後に残ったひとりでは楽しめない。と言う事で最終的にグループが消滅するという具合。実際に僕自身も周りの仲間がトレイル(オフロードの山道の事です)に行く事が減ってしまい一緒に行く友達を捜すのに苦労した。という経験がある。ロードと違って平坦なコースを選んでツキイチでという走り方が出来ないので、スキルと足が違い過ぎると一緒に行っても誰かが待つか休憩なしで我慢しないといけない。この辺りはスキーもゴルフも同じですね。

その後、ノートパソコン、デジカメ、プリンター(これらも当時は高かった)のような大型IT投資が一巡りした辺りの 2005年ぐらいから急激に伸びてきたのがマラソン、ロードバイク、登山。

エコ・健康ブームというメディアの追い風もあるが、この3スポーツに掛かる共通項は一旦機材を揃えて始めてしまえばたいしてお金が掛からないということだ。財布にエコ、家計に健康なスポーツと言える。

週末自宅から自走でロードバイクで走りに行くのにはポケットに2千円入れて行けば多すぎるぐらいだし、マラソンはレースに出るにしてもシューズさえあれば電車で行って電車で帰れるしエントリーフィーもハーフなら2千円程。里山トレッキングについては言うまでもないだろう。こういった辺りが、爆発的に人口が増えた理由なんじゃないかと思う。

では大量消費スポーツの象徴(?)たるMTBはもはや日本では流行らないのか?答えはノー。東京近郊のショップオーナーと話していても、彼らが口々に言うのは最近MTBは確実に動きがあるという。

ロードバイクも最近はテクノロジー革新で、安くても十分満足できる走りと乗り味を併せ持ったバイクが多くなってきているが、MTBはその度合いが更に高い。各社試行錯誤してきた29erハードテイルがここのところ完成の域に達して来ていることもあって、SLX級でも十分に楽しめる。というか、MTBはトレイルで限界まで攻めて「あっちゃー」と転けて投げて捨てる遊び方こそが楽しいので、そこで「あっちゃー2万円のXTRのディレーラーがぁぁ」となるよりは、「ま、4千円だからいっか。涙」で許せるSLX級のバイクぐらいの方がトレイルライドには油田持ち以外には向いている。

デュラエースDi2で組んだ100万円のロードバイクを持っている人に、20万円の105のアルミバイクを買えば今まで見たことのないもの凄い世界が見れますよ。とはどんなに大金を貰っても僕には言えないが、20万円でSLX級(ロードで言えば105級)の29erハードテイルを買えば、もの凄い世界が確実に待っています。街乗りも楽しいし。とは胸を張って言える。ショップの店長も同じ感覚を持っているから、このカテゴリのMTBが今動いてるんだと思う。ちなみに言うと、ロードと比べると日本では圧倒的に価格設定が弱気なので割安感もある。

段々、MTBのプロパガンダのようになって来たが、過激なキャッチコピーを付けてここまで読んでもらうのが、実は目的でした。(・ω<) ロードこそ自転車の本筋という意見はありますが、美食でいえばフレンチこそが美食の本流と言い張って、タイ料理を一切口にしないようなもの。ロブションもイイけど、タイ料理にはタイ料理の美味しさがあるよねー。俺、四谷にいいお店知ってるよ。っていうのが人生面白いんじゃないでしょうか?食わず嫌いは、自転車人生でおそらく損してます。一度トレイルで自転車に乗ると、「ああ、こんな世界があったのか。地球は広いよお母さん」。となる筈。ならなかったらすいません。 で、経験者しか知らないことですが豪雪地域を除いて、日本のトレイルは今からがオンシーズン。(夏は草が生え過ぎ、初秋はハチが怖い) まとめですが、巷では、折の景気上昇指向でプチ贅沢が流行っていますが、この冬のボーナスでSLX級の29erを買ってトレイルライドに行くというのは如何でしょう? 乾いた枯葉と土の上をタイヤが転がる感触、転ぶ瞬間に自転車って楽しいかもと思う感覚、山頂で仲間と談笑しながら石の上に座って雲海を観ながら食べるどら焼きの味。どれもが、かけがえのない贅沢な時間だと味わえると思いますよ。いわゆるプライスレス。自転車の値段は関係ないんです。

  

YPJ-01の続きの続き

 もうちょっと書きたくなったので、更にYPJ-01に追記してみる。YPJ-01イラネ。と言っている人の話は正論だ。現行道交法だと時速24km/hまでしかアシストしてくれないし、ヒルクライムも10km/hからアシスト量が減ってくるんじゃ、西伊豆の意味不明な斜度の峠にでも行かない限りインナーローでクルクル回してれば別に電動じゃなくても困らない。そもそも、自分で走るのが楽しいのであって、電動アシストなんぞ要らんでしょう。私も95%そっち派で、電動アシストの面白さは面白いけどやっぱ自力で進むのが自転車の醍醐味だと思う。と、否定するのは簡単。

 とは言え、iPodが最初に出た時に、なんじゃコリャ?と99.9%の人が否定したがその先進化してどうなったのかはNTT DocomoまでがiPhoneを導入した結果で皆知っているだろう。イノベーションは否定するより歓迎したい。

 YPJ-01を単体で見ても、例えば、60代中盤のリタイアしたばかりでまだまだ運動出来るし、時間だけは有り余っていて、蓄えも必要十分にあって、モノにはコダワリがある。とはいえ40年間運動して来なかったので・・・。という人の最初の取っ付きには超絶フィットするバイクだろう。軽いのでヒョイっとクルマに積んで出かけられるし、バッテリーが切れても普通のロードバイクとして路上遭難の危険性がない。スピードも出過ぎないので安心安全。などなど。

 女子にプレゼントすれば、次の週末は、サラッと峠の茶屋に自転車でお茶しに行こうと誘える(恐らく登りで千切られる訳ですが)など、色々と用途が考えられる。

 スポーツサイクルの裾野をちゃんと広げてくれるイノベーションだ。と歓迎する心を持ってみるのも良いのではないだろうか?スポーツサイクルに乗る人が更に幅広い年齢層に増えてメジャースポーツになれば、スポーツサイクルを取り巻く環境も色々と良くなる筈。

 自分も良く考えてみたら、上の通り自転車は自力派だけど、YPJ-01が1台ガレージに転がっていると、それはそれで悪くないと思う。例えば、今だとプロ選手に東京来たので物見山まで一緒に走りに行きませんか?と誘われても、平坦はお供出来ても山に入った瞬間に迷惑かけるので丁重かつ問答無用でお断りしているが、これがあれば、まあ、恐らくあまり迷惑をかけないので走りに行ける(平坦路は電源OFFにしてツキイチ)。一緒に走れば何か新しい事やアイデアが生まれるだろう。

 今まで人類の進化で身体能力を拡張してくれるアイテムが、最終的にメジャーにならなかった事はないという。人力だけで最も効率良く高速で遠くに行ける乗り物と、身体能力を拡張してくれる超軽量アシストユニット。やっぱりワクワクのドキドキものである。